子連れランチ歓迎!でも自由に騒いでいいという意味ではありません…

福山市の古民家カフェ&雑貨のお店「Kiyo」が願う、やさしさと感性が育つカフェのかたち

福山市の蔵王町で2025年5月20日にオープンするKiyoは昭和レトロポップな古民家カフェと雑貨のお店ですが、子連れランチや赤ちゃん連れランチができる、お子様連れに優しいお店を目指しています。

しかし、「子連れ可」「赤ちゃん可」というのは、けっして、子どもを自由に騒がせたり、赤ちゃんを放っておいてもいいカフェ、というものを作ろうというつもりではありません。

是非、以下のことをお読みいただいて、ご賛同を頂ける、子育て中のママさん、パパさん、そして、子連れランチ歓迎のお店をご承知の上でご来店いただける子ども連れではない方に、応援して頂けると嬉しいです。

お休み情報やご予約状況はインスタグラムをご覧ください。

「騒いじゃだめなら子連れ可にするなよ」、と言われるかもしれませんが…

「子連れランチって、迷惑なんじゃないの?」

そんな声を、SNSでも、世間話の中でも、見かけることがあります。
赤ちゃんが泣いたら迷惑。子どもが大きな声を出したら配慮が足りない。
そして、親は「外食はまだ早いのかも」と自ら引き下がる――。

でも本当に、それが“子どもと社会の関わり方”として望ましい姿なのでしょうか?

古民家カフェ「Kiyo」は、その問いに対して、
静かだけれど確かな考えを持って、お店づくりをしていきたいと考えています。

 

■ 子どもには、公共の場を体験できる“練習の場”を

少し大きくなった子どもたちは、
「声の大きさを気にする」「順番を待つ」といった、ほんの少し我慢することも、実際の経験の中でしか学べません。

だからKiyoは、「子連れランチ歓迎」と掲げています。

ただし、これは「どれだけ騒いでもいいですよ」という意味では決してありません。

「ここでは静かにしてみようね」と、親御さんがやさしく伝え、
子どもが少しずつ「社会でのふるまい」を覚えていくことを、私たちは応援したいのです。

 

■ 「騒いじゃダメなら子連れ可にするなよ?」という声に、静かに答えたい

「子連れ歓迎」と掲げながら、「静かにしてね」と言うのは矛盾していないか。
そんなふうに思われるかもしれません。

でも私たちの答えはこうです。

「子連れ可」とは、子どもたちが社会の中で少しずつ成長していけるように、親子で過ごせる空間を提供するという意味です。

無制限な自由ではなく、落ち着いて着いて過ごすための「我慢を覚える、やさしい練習の場」として、その時間を共有できたらと思っています。

■ 赤ちゃんにも、外の世界にふれる時間を

赤ちゃんは、外の空気、人の声、カトラリーの音…
そういったものすべてが「はじめての社会」への入り口です。

泣くことも、声を出すことも、決して「うるさい」から排除されるべきではありません。
むしろそれは、社会に向かって心が動き出している証

Kiyoでは、畳の座敷や縁側がある、昭和の古民家です。
せっかくこの環境をこのまま活かす古民家カフェにするのだから、子どもや赤ちゃんにも優しい場所にできないか…
「泣いたら出なきゃ…」ではなく、「泣いても安心していられる場所」を目指しています。

(Kiyoは小さなお店ですので、赤ちゃん連れで「個室」をご希望の方は、貸し切りプランをご用意していますのでご相談ください。)

■ 親御さんにも「ほっとできる場所」を

子どもにとってだけではありません。
育児の毎日は、親にとっても心の余裕が奪われがちです。

「ちゃんとしなきゃ」「静かにさせなきゃ」
そう思い詰めるようにして外出する…その緊張が少しでもゆるむ時間を、Kiyoで持っていただけたら。

ちゃぶ台に座って、窓から光が差し込む古民家の座敷で、親子でゆっくり食事ができる。

「子連れランチしようなんて他人の迷惑を考えないのか!」「赤ちゃん連れで外食なんて非常識だ!」
そんな批判の声が一部のネットの意見に見られますが、少子高齢化が問題となっているこの日本で、そういう声だけがクローズアップされて「子育てママ」が何か反論しようものなら「炎上」してしまう、そんな日本に明るい未来があるとは思えません。

もちろん、カフェやレストランも商売ですから「子連れ不可」というお店があるのは当然ですし、それを否定するものではありません。
「子連れ不可」のお店ばかりではよくない、「子連れ可」の優しいお店も、もっと増えて欲しいと考えていました。

お互いが、優しい心を持って、それぞれに合うお店を自由に選べればいいな、そして、「子連れ可」のお店の本当の意味や社会的な意義を、みんなが考えてくれたら…

それだけで、きっと明日は少しやさしくなれる。そう思っています。

そんな「子連れ可」のお店が増えれば、親御さんも子育ての合い間の「ホッとできる場所」になり、また明日からの子育てに向き合えると思うのです。

■ 感性と知性を育てる場所でありたい

店内の一角には、手編みのぬいぐるみや、手作り雑貨コーナーもあります。

子供も大人と一緒に感じることができるアート、気軽に持ち帰れるアート、として、子どもの心に残る何かをそっと届けたいと願っています。

開店記念に、お子様のアート心に火をつけるかも、のようなちょっとした手作りの「チョイムズ・ふうせんコースター」のコーナーを置くのも、そんな気持ちからです。

■ 正木和枝さんの著書『子供心はバイオリンを奏でるように』も

Kiyoには、小さいけれど本格的なポップアートの立体額ポップアートデコ」シリーズのアート額を展示させて頂いています。
欧州ラベルをモチーフに、日本の型染の切り抜きと蒔絵の技法により、キラリと輝く質感が立体的に表現された、不思議な面白さがある本格的な現代アート作品です。

子どもたちが見上げて「これなに?」「きれい」とつぶやき、
大人たちが「ちょっと懐かしい」「かわいいね」と笑う。

そんな親子の感性が響き合うきっかけになるアートを、私たちは大切に飾っています。

この「ポップアートデコ」シリーズのアート作品を手がけた正木和枝さんは、
アート制作と並行して、子育てにまつわるエッセイ『子供心はバイオリンを奏でるように』(彩流社)を著されています。

日々の中で出会う子どもの表情や言葉。
それはまるで、言葉になる前の“心の音楽”のよう。

この本には、「こうすればうまくいく」といった答えではなく、
“聴く”ように子どもと向き合うまなざしがつまっているなと感じました。

また、この本の中の一節にも「小さいときに経験しておかなければならない我慢を知らずに育った子供はかわいそうです」という個所がありますが、そんなところも、Kiyoの「子連れランチ歓迎」の意図するところに通じている気がします。

Kiyoがこのアートとこの本に惹かれたのは、

子どもと一緒にいる時間が、学びであり、創造であり、何より日常のなかのアートだと感じられるから
です。

 

■ 最後に:Kiyoがめざすのは、「静かに育ち合う」場所

Kiyoは、「静かにしないといけない場所」ではありません。
でも、「静かに過ごすことを親子で練習できる場所」ではありたいと考えています。

赤ちゃんが泣いても、子どもが少し声を出しても、
親がやさしく教え、お店もそれを見守る、そしてまわりのお客様もあたたかく受け止める

そんなやさしさの循環で、この小さな古民家カフェに流れていくような優しい空間を、ゆっくりと育てていければと思っています。

 

きれいに作るのは大人でも意外とムズイ「チョイムズ・ふうせんコースター」

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